アドルフに告ぐ/手塚治虫/1~5巻

メモ

・手塚治虫。大阪府豊中市生まれ。著名な作品は火の鳥、鉄腕アトム、ブラックジャックなど。ストーリー漫画の時代を切り開いた先駆者
 
・「1936年ベルリンオリンピックが開催。峠(峠)の弟である、勲が何者かに殺された。それはアドルフ・ヒトラーの出生の秘密を知ったからである。」
「この物語はアドルフと呼ばれた三人の男たちの物語である」
 
・マルキシズム:マルクス主義
 
・ボリシェヴィキ:ロシア社会民主労働党の多数派。少数の革命家の主導する暴力革命を主張。ロシア革命の主導権を握り、後に共産党と改称
 
・コミュニスト:共産主義者。勲はコミュニストだった。
 
・ゲッベルス:ゲッベルス(1897~1945)は、ナチス=ドイツの宣伝省大臣として、マスコミや映画、様々な行事を通じてヒトラー神格化とナチズムの浸透に大きな力を発揮した
 
・スペクタクルとは視覚的に強い印象を与えるようなもののことであり、広くは光景や情景などが意味される。芸能での業界用語としては、視覚的に強い印象を与えるような大掛かりな場面や出し物のことが意味されている
 
・ヒトラーの出生の秘密とは。ヒトラーがユダヤ人であること。それを記した文書がワグナーの5つの石像の中の一つにあると。芸者の女性はワグナーを持っていたから殺された。そして勲は当たりの石像を持っていたが、その中身はどこにあるかわからない状態。だから、峠に拷問したりして調べている。
 
・そうやって謎が明かされる一方で、ユダヤ人とドイツ人のアドルフたちの話も進む。かれらはユダヤ人と非ユダヤ人であるがために仲良くできないことに傷つき、そんな世界を変えたいという思いをつのらせていく。これは三人のアドルフたちの話であると最初にあったが、まさにその種まきをしている感じ。三人とは、この二人とヒトラーのことだろう。
 
・ユダヤ人のアドルフは親?がヒトラーはユダヤ人だと言っているのを聞いた。そしてそれを忘れるために紙に書いて木の穴に入れた。そしてドイツ人のアドルフがそれを手にした。
 
・勲は良くしてくれた女性教師にヒトラーの出生に関する文書を送っていた。そしてそれを峠が手に入れる。だが、日本のヒトラー派のものによって追いやられて家は追い出され、その日ぐらしとなる。
 
・お金がなかったときに、たまたま通りっかかって貸してくれたのが、ドイツ人アドルフの母。そして彼女は峠に恋している。話が疑義切りのところで繋がっていく。それはチ。で地動説に関する内容がギリギリ引き継がれていくのに似ている。
 

読後感想

・5巻読み終わったが、5巻とは思えないほど内容が濃く、充実していた感じがする。実際、解説を読んでも手塚治虫は実際に足を運んで調べてもいたようだし、すごくエネルギーがかかっていると思う。漫画を読んでいるというより、長編の純文学を読んだ感じがした。
内容も入り組んでいて、すごいなと。これが漫画の最初とは思えへんくらいの完成度でめっちゃおもろい。天才って感じがする
 
・最後は結構悲しい。でもハッピーじゃないところがリアルだ。二人のアドルフは結局殺し合った。ナチスに心酔していったアドルフは敗戦後どっかの戦士になった。子どもも作った。でも打たれて死んだ。俯瞰して見れば幸せじゃない。ナチスに心酔し、ヒトラーに裏切られ、戦争で死ぬ。人生になんの価値もないような感覚になる。でも人生はみなそうなのだ。はたからみたら何の価値もないのだ。ただゲームがオンになっている間、プレイしているだけ。だからこそ楽しんだほうがいい。
 
・奥さんができたところを見て、人生割とこんなもんなんじゃないかなって思った。全体で見れば悲劇やけど、個別で見たら幸せな時もあって、奥さんもいて。そんなもんだよなーって感じ。
一匹の人生なんてちっぽけってことを感じさせてくれた
 
・西欧人は美しく、東洋人は醜い。たしかにそんな劣等感あるわ。でも美しい東洋人になりたい

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