教誨師とは?
教誨師とは死刑囚に対して、唯一自由に面会でき、宗教の教えを説くもののこと。
なんとボラティアで行われている。死刑囚について、情報を外に出してはいけないので、なかなか実情は語られない。
しかし今回は、著者が何度も足を運び、コミュニケーションをとったことで、教誨師の連盟の会長から話を聞けた。
その内容を書いたものが「教誨師」である。
恋心を抱いたこの顔は。
印象に残ったのは、戦争時の体験だ。彼は原爆を受けたが、何とか生き残った。工場が臨時の病院になり、いろんな人が運ばれてくる。
腕が取れて皮一つで繋がってる人など。
そんな彼らは夜になると、ゼンマイ人形のように上半身を起こし、水をくれ!と叫ぶのだ。
そんな中、恋心を抱いていた女の子と再開する。彼女の顔は赤身が剥き出しになり、目、鼻の穴、口の区別ができるだけ。
まぶたは大きくはれ、目は小さな穴のようにしか見えない。口も大きく腫れている。
そして、髪はちりぢりだ。
戦争は死んだものにも、生き残ったものにも、一生の傷を負わすのだと思った。
死刑の責任
死刑はみんなのルールでによって行われているのだ。
国民は簡単に死刑にしろというが、実行するのは彼らではない。
執行人への想像力が全く持たれていないのだ。
彼らは人を殺したという事実に、心の傷を一生おっていきていく。
僕たちはせめて、想像力を働かせ、治安維持のために仕事をしてくれている人間に、心からの感謝をしないといけない。
本当にそう思う。
死の距離
死刑囚たちの頭の中は、普通の人と比べて死の割合が多い。僕たちは明日もおそらく生きているだろうという感覚がある。さ
しかし彼らは明日この世にいるかわからないのだ。
死が迫っている人間の集中力はすごいという。教誨師が、恐れるほど宗教の本を読み、知識を蓄える者もいたらしい。