変身/フランツ・カフカの感想

 

内容

ある朝、巨大な虫になっていた。家族からどんどん世話されなくなり、死んでくれないかなと思われる。で、死ぬ。

本編の感想

・シュールレアリスムとブックカバーのカフカの説明に書いてあったが、一行目からそれを理解できた。思わず声にだして笑ってしまったからだ。「ある朝、グレーゴル・ザムザがなにか気がかりな夢から目をさますと、自分が寝床の中で一匹の巨大な虫になっているのを発見した」。すごいわ。

・巨大な虫になったザムザを見て、母親は気絶し、父親は殺そうとした。その後、家族だからと受け入れようとしたが、貧困に陥り、こんなのザムザのはずがないと手放そうとしている。見た目が与えるインパクトの大きさ、そして言葉を話せない悲惨さよ。

・結局、グレーゴル・ザムザは死んだ。そして家族は新たな人生を歩みだしたようだった。「自分たちはできることはやったよね」と肯定しあい、グレーゴルの死がより家族の結束を深めた一困難であったかのように感じられた。しかしグレーゴルからすれば、とんでもない悲惨さである。家族をひとえに支えていたにも関わらず、朝起きたら突如、巨大な虫に変身。その後、意思疎通の取れぬまま、深淵な拒絶感を浴びせられ、衰弱死したのだ。

解説・補足

・フランツ・カフカはチェコスロバキアのプラハに生まれ無名のまま死んだ詩人。41歳で死んだあと、友人で詩人のマクス・ブロートによって、編集・出版され世に出ることになった。

・あとがきによれば彼において「ヨーロッパのニヒリズムは致命的な自己意識に到達した」と書かれている。ニヒリズムとは虚無主義だ。

・大学で法律を学ぶがこの時期に本を読みふけり、自分の人生が文学に捧げられることを自覚する

・カフカは青年時代「人生を虚無として、不動としてとらえたい」という夢を抱く。「現実の世界は仮象の世界だ」と捉えていたのだ。つまり人間はあたかも実在しているかのように振る舞っているが、本当は実在していないと考えていたのである。

・控えめでデリケイトな性格は母の家系に由来する。またユダヤ人がのけものにされていたことから、作品のほとんどが共同社会から追放されている人間の話になっている

・なんで虫になったのかの説明がないし、誰もなんで虫になったのかを疑問に思っていない点が不思議なところ。

・具体的な虫の名前は書かれていないし、表紙に巨大な虫の姿を書こうとしたら慌てて拒否したことからも、メタファー、想像の余地をあえて残している。そもそも、徹底した写実主義で、象徴的なものを表現する人

・グレーゴルは家族を気遣い、家族はグレーゴルを虫けらのように扱う。姿と心が逆転している

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