『12年の長い夜』というノンフィクション映画のレビューです。フォンフィクションが好きな人にとってはかなり刺さる映画です。
世界一貧しい大統領として、数年まえに話題になったホセ・ムヒカさんの話でもあります!
実は彼、12年間、人質としてウルグアイに囚われていた過去があるんです。
その囚われていた12年間の話。
映画自体はいきなり人質になるところから始まります。
淡々と映画は進み、途中で回想シーンもありますが、前提知識がないと良くわからない!
ということで前提知識から終わりまでを簡単にまとめます。
舞台はウルグアイ。1900年代初めのウルグアイは民主主義で福祉国家として超平和でした。
しかし1955年あたりから状況は一変。経済が立ち行かなくなり、国民の不満が溜まります。
そんななかで、トゥパマロスという武装組織が誕生。
革命軍的なものができるわけです。
ここにホセ・ムヒカを含む主人公三人はいました。
政府を襲ったり、政府の人を暗殺したり、やってることは超過激。
しかし国民の不満も溜まっていたので「いけー!」って感じで後押しされる。
結局内戦に発展します。
内戦に発展したら、国は軍の力を強めていくわけです。
戦争に負けるわけにはいきませんからね。「国を守るためです」という名目で力をつけていく。
もうムッキムキです。
結果として、軍部による独裁政権が始まります。
まぁ、すごい監視国家で300万の人口のうち30万人がブラックリスト。
10人に1人はヤバいやつとしてリストに入れられてる状態。
30万人を監視するために、労働力の20%を使うという、
落ち着いて一息もつけない国ができました。
トゥパマロスは崩壊し、ホセ・ムヒカを含む3人は投獄されることになったんです。
本編ではその三人の投獄生活の12年間が淡々と描かれる。
まじで、淡々と繰り返しの日々が描かれます。
なんてったって三人の生活は単調そのもの。
娯楽は一切なく、投獄場所は一定期間ごとに移動させられます。
さらに話すの禁止です。
話すの禁止ですよ?
「俺、人と話すの好きじゃないからいけるわー」
とかのレベルじゃないです。
一日中やることがなく、この生活が死ぬまで続くかもしれない。
そんな精神状態でまともにいられるわけがない。
ホセ・ムヒカさんは、実際、幻聴や幻覚が聴こえるなど精神をおかしくしていきます。
たまに親の面会があったり、ちょっとだけ感情の起伏が起きるシーンがあったり。
結局、12年がたち、軍事政権が終わったことで、ホセ・ムヒカたちは解放されます。
ここまでが映画のストーリー。
簡単にまとめると言いつつだいぶ書きました。
ここからは学び。
まずは芸は身を助けるな、と思いましたね。
三人うち1人は文才があるんですが、
ある投獄場所ではその文才を生かします。
看守同士の雑談が聞こえてくるです。
狙ってる女がいるけど、うまくいかねー。どんな手紙かいたらいいかね。
という感じ。
そこに「俺に書かせろ!うまくやってやるよ!」と声をかける。
一度は無視するも後から看守がやってきて、書かせます。
それが結構いい文章で、相手の反応もいいということで話題に。
看守の上司にも呼び出さられて何度も恋文を代わりに書くんです。
その代わりパンやミルク、タバコ、ノートとペンを貰うんですね。
一切、娯楽も感情が動くイベントもなかった彼からすると、超嬉しい。
投獄場所は一定期間で変わるので、その時だけでしたがいい思いをしました。
もしこのひとときがなければ心が崩壊して、自殺してた可能性だって全然ある。
ある意味、文才が命を助けたともとれます。
つまりスキルがセーフティネットになったわけです。
これは現代でもいえますよね。
例えば働いてる会社を今、首になったらどうしますか。
若いならまだしも40代とかになると、かなり厳しいらしいです。
貧困になるって可能性全然あります。
この前読んだ「東京貧困女子」なんかでは、まさに貧困が描かれてました。
そこには今、そして今後の日本で女性が経済的に自立する難しさが体験談とデータによって書かれています。
貧困に陥ると、抜け出せないと。
しかしスキルがあれば違う。
月5万で副業で稼いでいれば、フルで働いて月20万は稼げるでしょう。
とりあえず生きていける。さらにやればやるほど実績が貯まるので単価も上がっていきます。お金に余裕が出ればさらにブログなどに展開していけるでしょう。
ここで大事なのはスキルはなくならないということです。
逆に職があることに安住して、スキルを磨かなければ大変なことになるかもしれない。
自己防衛のためにもスキルは必要ってことです。
もう一つの学びは、時の経過は可能性の喪失に他ならないということ。
当たり前なんですけど、忘れてしまいがち。
日常を生きてたら、本当に忘れる。
僕たちの人生には終わりがある。確実にある。
死後の世界がらあるかもしれない、この現実は仮想現実なのかもしれないけど、その証拠はまだ見つかりそうにない。
だから人生は一度きりで、終わりがあると思って生きるしかないわけです。
つまりあれやりたい、これやりたいっていっても無限にはできない。
だから僕たちは時間をできるだけ無駄にせず、自分のやりたいことや楽しいこと、嬉しいことに使うべきです。
しかし現実はどうか。
時間を無駄にしてないですか。
僕はまだまだあります。夜ご飯食べた後、YouTube見始めたら、そんなに見たくなかったのに1時間が経ってたとか。
友達からゲームしようと言われて夜にゲームしてしまったりとか。
とにかく現代は娯楽が多い。昔はテレビや本くらいだったかもしれない。
でも今は、YouTube、Netfli、Twitter、TikTok、ゲームアプリなど、無料でできる娯楽がいくらでもある。
しかもその娯楽たちは、僕たちを娯楽に釘付けにしようといろんな工夫をしてきます。
世界トップで優秀って人たちが本気で僕たちの時間を奪いにくるわけです。
だってYouTubeで30分の動画が100万回されてるって毎日普通に見ますけど、
人類は3000万分その動画に投資したってことですからね。
YouTubeがでてきて、例えば10代の貴重な時間をどれだ奪ったんだろうと思います。
もちろん与えることもありますけどね。
まあとにかく人生に終わりがあることを忘れて、
時間が経つごとに、やれることは少なくなっていってることを忘れて、
生きてしまう。
それはあかんなと改めて思いました。
ということで、12年の長い夜のレビューでした!