ケーキの切れない非行少年たち1巻/宮口幸治の感想・レビュー

ケーキがきれない非行少年たちの漫画版。

「ケーキを三等分してくださいといっても、非行少年たちは三等分できない。

彼らはずっとそんな挫折を繰り返してきた。」

印象的な言葉だなー。

話は過去に自分の少年院にいた男が、殺人を犯したのをニュースで見て、過去を思い出すとこから始まる。

その男は父親がDvしてた。覚醒剤で捕まる。母が3人の子供を育てるが貧しい。さらに母は精神に異常をきたし、病院に通う。

男は万引きや無銭外泊を繰り返し捕まる。

母が育児放棄していたため、児童自立支援施設に入れられる。

そこを出た後は建設現場では働くが、暴力や無断欠席で少年院へ。

知的に軽度の障害がある可能性ありとの診断。

精神科医(著者)が話を聞く。

知的なハンディを持ってる子の特徴
・お世辞を真に受けることが多い
・頭が硬く融通が効かない
・感情を表情にだせない(怒ってもイライラしても笑ってしまうなど)
・語彙が乏しく、なんでもイライラするという

男は少年院の中で更生していく。体育祭で選手宣誓したり、少年院内の賞をもらったり、優等生もして出所する。

んで4年後殺人を犯す。

出所後は建設現場で働いたが、物を覚えられない男に対して、どんどん同僚の当たりが強くなり、男のストレスもます。

結局暴力でてんてんとする。

そして偶然出会った先輩に誘われて気づかないうちに詐欺グループの受け子の仕事をする。

ある日受け取れなくて、損失出た責任取れ!言われて100万を請求される。

付き合ってた女に50万借りる。女も軽度の知的に障害で断れない人だった。

んで、返すアテナイ。返すって言ったじゃん嘘つき!と言われ、嘘つきじゃねえ!となり、石で殴って殺す。

次15才で妊娠8ヶ月の女の話。女教師に生活の乱れを指摘されキレて、怪我をさせた。教師は失明の可能性あり。

案の定、母は父親とすぐ離婚して、家は貧しい。

もー嫌になるな。

IQ70〜84は境界認知。

70未満は知的障害で全体の2パーセント。クラスに1人の割合や。

70〜84の境界認知は14%。35人クラスだと5人おる。

障害とみなされず、社会に馴染めず、苦しんでいる子が多い。

この本が伝えたいことは一言で言って
「守られるべき障害者が守られず、加害者になってしまう現実」だ

感想

・境界認知はIQ70~84。全人口の14%。35人クラスで約5人。

彼らは障害をもっていると認定されにくい。
このような人たちのための居場所が社会になく、加害者となることが多い。

ホリエモンはクソリプを送ってくる人たちはコレの可能性が高い、だから文脈が読めないから仕方ないんだと言ってた。

このような人たちがいると知っておくことは大切やと思った。仕事場で何にも覚えられないから、ブチギレられてた。仕事ができない人は、嫌われやすいってのはよくあることだ。だって、その分を誰かがカバーしてるから、「お前ちゃんとやれや」ってなる。

でもそこで境界認知で、覚えたくても覚えられない人がいると知ってたら優しくできる可能性あるやろ。

あとみんなが平等に仕事をするって考えはあんまうまくいかん。文化祭でちょっと男子、ちゃんとやってと言ってる女子のことだ。

だってもともと生まれ持った能力や、意志力や、継続力や集中力が違う。だから、それができることに感謝してできない人の分を補うのは、率句が通ってるという視点はあったほうがええ。

あとみんな平等に仕事するが当たり前って考えだと、現実的に平等に仕事することはありえないから(能力違うから)、常にいらつくことになる。

つまり相手に仕事することを「期待する」考えになる。

人間関係は「相手に期待する」ことでストレスフルになっていくからな。

コレ合理的思考を強化するいい考えやな。

みんな生まれ持った能力が違うってことな。

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