プロ棋士になる道筋
プロ棋士なりたければ養成所である奨励会に入る。しかし入会試験があり、受験資格としてプロ棋士の師匠が必要。
これは形だけの師匠でもいい。奨励会に入れば4級、3級、、、初段、二段と昇格し、4段になればプロである。
現在の制度では四段に昇格できるのは、三段リーグの前期後期で2ずつ。つまり年に4人しかプロになれない。
さらに満21歳までに初段、満26歳までに四段に昇格していないと退会処分となる。
森信雄
父の顔は覚えていない。すごい貧乏だった。
幼い頃にはしかを患い、片目が見えない。
当時の規定は緩く、年齢制限を過ぎても奨励会にいた。プロになった後は麻雀やギャンブルに浸かる。
村山聖を初めての弟子に取る。のちに聖の青春として書籍、映画化。
その後、たくさんの弟子を取り西を代表する門下となる。
口癖は「さえんなぁ」。
結婚した際の話。相手の女性は2回食事をした結果、なしだと思っていたが、新聞に森信雄結婚と報道がでてこれは結婚しないとダメだなった。
普通の子を将棋のプロにしたいと思っており、そういう子を積極的に受け入れる。おおらかで、打算さがなくてすごく魅力的。
森信雄もさることながら、森門下は個性的な人間が多い。
山崎隆之(やまさきたかゆき)
自虐で笑いをよく誘う。ギャグセン高くて大好き。
11歳から奨励会に入り6年で四段になりプロ入り。広島出身。
対局の度に新幹線は大変なので、中学から母親と大阪に出てくる。母親が働く姿を見て師匠から内弟子を勧められ、承諾。
高校受験と三段リーグの対局日が被ったため中卒。
中学生で大阪で内弟子。棋士になるために全てを捨ててきたということで当時は「弱ければ死ねばいい」という思想を持っていた。
それだけら勝負にこだわっていたのである。
ただそのあと「将棋が強くても人として意味がない」と思うようになる。
阪神淡路大震災が起きた際に、将棋会館に対局はどうなるかと電話したことで師匠から破門を宣言されたのだ。
こんな大変な時にそんなことを気にするとは何事だ。ということである。
糸谷哲郎
村山聖、山崎隆之、片山大輔につぐ4人目の広島出身者。
森門下初のタイトル獲得者で、タイトル最高峰の竜王を一期獲得している。
2014年の第27期竜王戦挑戦者を決める決勝で羽生善治を破り、森内俊之竜王を倒した。
ちなみに羽生は竜王をとれば永世7冠を達成というタイミングでの戦い。森内俊之も17代永世名人の超強豪である。
気風は独特で定石にとらわれない指し回しをするから見ていて面白い。彼の将棋では、解説者が「ほえ〜」など驚く様子が見られて痛快さがある。
また早指しが特徴。第78期棋聖戦(2007年)で糸谷に敗れた橋本崇載(たかのり)が、「強すぎる。怪物だ」といったことから怪物くんというあだ名がついた。
棋士はみな天才であるが糸谷は天才に二乗がかかっている。
彼の祖父がマルクス経済学者で中学生の頃から思想書を読んでいた。
そのこともありプロ棋士として活動しながらも大阪大学の大学院まで進み、哲学を専門としている。
ちなみに彼は早指しであるが、本を読むスピードも段違いだ。
認識能力が高いので、文字を処理するスピードが異常に速い。
小学生の頃はハリーポッターの一巻を30分で読んだ。
また小、中の頃は毎日8冊は平気で読んでいたので、月100冊は超えていたという。
また20歳の頃は大阪から東京への新幹線で7、8冊読むのも当たり前だったそう。
信念として、将棋はやるのと普及活動の両輪だと考えており、普及活動にも力を入れる。
自分自身にはそれほど闘争心がなく、本人曰く「他人の活躍からモチベーションを調達する」そうだ。
ユーチューブに出て普及活動頑張っておられる
↓
ちな糸谷さんと山崎さんは仲良いです。
西田拓也
プロフィールの左側の人です。
現在行われている第5回将棋Abemaトーナメントにチーム糸谷の一員として出場している。
俺はこのチームを応援している。あと振り飛車党という序盤に飛車を動かすスタイルで、俺は彼の本で将棋を学んでいる。
彼は三段リーグに8年半、25歳までいた人間だ。満26歳で退会処分なのでギリギリである。
13歳で奨励会入り、3年で三段に上がった。しかしそこから伸び悩む。
師匠から晩御飯を家で食べるようにとアドバイスをもらい、生活を厳しく管理すると成績が伸びた。
すると三段リーグ開幕14連勝という、三段リーグ初のことをなしプロ入りを果たす。
室谷由紀
https://twitter.com/muroyan_y?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor
大阪の狭山市出身。同志社大学に通うも通学時間がもったいないと、休学しのちに退学。
森門下初の女流棋士。
姉御肌でストイックな性格。
むろかんなちゃんねるを解説しており、普及活動にも力を入れる。ちなみにひっぱりだこ。
石本さくら
吹田市出身。大学将棋の名門、立命館大学に入学。小さい頃から奨励会入りを目標にしていたが、不合格が続く。
女流棋士の存在価値や、普及活動の大切さに気づき女流棋士にやりがいを持つ。
西田拓也とは毎月将棋を指し、試合の後もメールでフィードバックをくれるという。
将棋界の定年制について
基本は60歳で定年。順位戦に在籍し続ければ60を超えても現役でいられる。
ただ最下位のクラスC級2組で降級点を取ると、定年が適用。
ただし順位戦に参加しないフリークラス転向を宣言すると65歳まで伸びる。
加藤一二三は14歳から77歳まで63年間現役であり続けた。